AAASOM タイムズ (AAASOMメルマガ) Vol.2

News Contents

01: AAASOM facebookグループへのお誘い

02: AAASOM第4回学術会議レポートコラム 

03:1分間でわかる最先端、歯の科学

04:会員ニュース

○小川隆広先生、米国・国際インプラント学会最高研究論文賞を受賞

○柴田 陽先生、ニュージーランドオタゴ大学歯学部客員教授に就任

○後藤哲哉先生が「ネッター頭蓋部・口腔顎顔面臨床解剖学アトラス」の和訳をされました

 

01:AAASOM facebookグループへのお誘い

フェイスブック内に口腔先端応用医科学研究会(Academy of Advanced Applied Science in Oral Medicine ; AAASOMグループを開設しました。この会は、だれもが、院生、学生、教官、教授、歯科医師、衛生士、技工士、大学人、開業臨床家を問わず、情報を共有し、問題を投げかけ、声を発することができる場の創造を目指したフォーラムです。歯科の将来、特に学術、科学、教育、その他のしくみなどに少しでも関係することであれば、話題もなんでもOKです。奮ってメンバー登録ならびに御参加ください。

 

02:AAASOM第4回学術会議レポート

第4回口腔先端応用医科学研究会(AAASOM)学術会議が1月21日、22日に開催されました。招待講演、問題提起講演シンポジウム、臨床問題提起基調講演、歯科医療社会問題提起講演ミニシンポジウムのもようをご紹介いたします。

 


○招待講演レポート


 第4回口腔先端応用医科学研究会が先月、東京お茶の水の日本大学で開催され、冷たい雨の中会場内は熱気で極寒吹き飛ばすほど盛り上がりました。今年から2日間開催となり招待口演だけでも11演題に上りました。分野・内容も多岐に渡り、再生医療から医学との関わりまで歯科領域を超えた先端研究がずらりと並び、中村修二先生のいらっしゃった昨年をも凌ぐものとなりました。その中ですべての口演に共通して印象に残っているのは,発表内容に対するディスカッションです。それは、初日から懇親会の時間が半分になってしまうほど活発でした。しかし、身をもって感じたのは、その場にいる誰でも意見を言える空気があること、またその意見はすべてクリティカルであり、さらにクリエイティブなものであったこと、そして繰り返しますが、終わりがないことがその特徴でした.“さすがにまずいでしょ”のディスカッションリーダーのかけ声でようやく次演者にバトンが渡される場面が続きましたが、実際ディスカッションでは質疑応答のテンポも速く,内容を追いかけるのがやっとという場面もありました。毎年いくつかの学会に参加していますが、これほど問題解決や生産性に直結した(会の理念でもあります)“実質的な成果のある”学術集団はないと改めて感じました。また,参加者の方全員が真剣に,社会貢献の仕方を考えていることを知り,研究の世界だけに閉じこもるのでなく,知識の幅を広げ,自分の研究をいかに社会に対してコミュニケートし、どう還元していくかということも意識させられる会となっていました。毎年この会では実りが多く,刺激ある充実した時間を過ごすことができます。これからもより多く、また多分野・多業界の方たちの参加を期待します。

 

昭和大学歯科補綴学講座 岩佐文則 

 

 

○問題提起講演シンポジウムレポート


 招待講演に続き、大会長でもあるUCLA小川隆広教授より「米国発の技術移転の実例と実経験から:光機能化インプラント −コンセプト、サイエンス、ビジョンの重要性−」と題した問題提起講演が行われた。小川教授はチタンの光機能化を発見してから臨床応用までの複雑な過程を実際の経験をもとに講演された。商業化にとって重要なのはパテントストラテジー、コマーシャリゼーション、サイエンスプロモーションであり、方法としては自ら企業を作る、または技術移転(ライセシング)がある事、また、技術移転に際し、大学に存在する知的財産部から個別の案件に対し効率的なアドバイスが受けられる確立は低い事。その為、人材を捜す、交渉を行うなど独自の行動が必要であることなどが紹介された。勿論、これらに先立ち、そもそもの研究に圧倒的なコンセプト、明確なビジョン、裏付けする科学的根拠が必要な事も再確認された。最後にArthur Schopenhauerの”All truth passes through three stages. First, it is ridiculed. Second, it is violently opposed. Third, it is accepted as being self-evident”という言葉を紹介され、小川先生の研究に対する強い信念と熱意が伝わり、これまでのご苦労が推察される講演であった。 これは余談であるが、講演中、光機能化後のチタン表面の親水性が大きく変化する動画が流された。昨年までであれば会場からから必ずどよめきが起こる場面であったが、今年はそれが無かった。これは、紫外線照射がチタン表面に起こすこの現象がすでに周知の事と受け止められたためと思われた。光機能化の技術が確実に浸透している証と感じられる一幕であった。

 

東京歯科大学 有床義歯補綴学講座

石崎 憲

 

 

○臨床問題提起基調講演レポート


 日本有数のスタディグループ“5-D Japan”のファウンダーでもあられ、臨床の第一線でご活躍されている大阪市開業の福西一浩先生に「歯内療法学における治癒の概念」と題し、臨床の立場から研究者への提言を含めた講演をしていただきました。歯内療法の基軸となっている海外の重要な論文を引用され、また、ご自身の症例をもとに、歯内療法材料の移り変わりの歴史を踏まえて講演をしていただきました。福西先生からの臨床家としての提言として覆髄材として使える材料として、接着性、硬化がシャープ、炎症を抑える、デンチンブリッジが早く生成する、生成したデンチンブリッジが多孔性でない材料の開発の提言をいただきました。また、歯内療法における最大の夢として、感染根管治療となった歯に、歯髄を再生するできる治療を国立長寿医療研究センターのNakashima先生の論文をもとに語っていただきました。質疑応答も活発な意見交換が行われました。小川隆広先生(UCLA)、李昌一先生(神奈川歯科大学)からは、既存の枠組みにはとらわれない、炎症を引き起こさない新たな歯科材料の概念の提言が行われ、臨床の立場から福西先生と熱いディスカッションが行われました。講演・質疑応答は、当初予定されていた時間を大幅に超え、盛況のうちにセッションは閉じられました。

 

北海道大学大学院歯学研究科 口腔機能学講座 小児・障害者歯科学教室

南川 元

 

 

○歯科医療社会問題提起講演 ミニシンポジウムレポート


昨年3月11日に不幸にも起きてしまった東日本大震災に関連して、歯科医療支援に参加された側から北海道医療大学の越野寿先生と、被災にあわれた立場ながら検視作業・歯科医療支援された東北大学の福本敏先生のおふた方に講演を頂きました。まず、越野先生は、北海道南西沖地震、阪神淡路大震災等の過去の災害支援の経験を生かした北海道医療大学での支援の体制を説明してくださりました。また、今回の震災時の支援の流れを時系列にまとめ、時期によって何が必要とされているかを把握しながら、支援の形も変えていかなければならないことを強調されました。食料不足が改善されると、支援等でお菓子が被災地には多くなり、子供がう蝕になりやすい環境になること。そのため、母親の子供に対するう蝕予防にニーズが高くなってくることは聴者に驚きを与えていました。次に、被災された立場から東北大学の福本敏先生に講演をいただきました。被災された立場にもかかわらず、次の日から検視作業をされたことなど、被災地の写真を織り交ぜての講演は聴者の心を打つものばかりであり、歯科医師として何ができるのかを考えさせられました。今回の震災歯科医療支援、検視作業等で歯科医師が果たす役割がとても大きかったことを前提に、それでも、災害時のシステムの悪さ、効率の悪さを指摘され、危機管理能力を日頃から上げていかなければならないことを強調されました。行政の縦割りシステムの弊害により物資がとどかないなど問題も生じたので、今回の経験を生かせるようにと、その支援システム改善に東北大学中心で取り組み始めた状況を説明してくださりました。質疑応答では、支援する際、支援側は被災者に対してどのように接していけばいいのかなど具体的な対応が質問されました。また、災害時の医療対策として日本とアメリカの比較も話題にのぼり、有意義なディスカッションが行われました。

 

北海道大学大学院歯学研究科 口腔機能学講座 小児・障害者歯科学教室

南川 元

 

03: コラム 1分間でわかる最先端、歯の科学

○脳には地図がある


 私達が、何かを感じたり、動いたりしている時、脳はどのように働いているのでしょうか? 実は、いつも脳全体が働いている訳ではありません。脳では様々な役割を受け持つ領域が決まっていて、私達の感じ方や動き方により、脳の特定の部位だけが活動します。つまり、脳には、どんなときにどこが活動するのか、活動領域の地図が書けるのです。 よく噛んで、おいしく味わい、飲み込む、というお口に関わる私達の毎日の行動は、脳における多くの場所を活動させています。しかも、その活動部位は、体の他の部位よりも、細かく複雑な地図になります。私達は、歯科に関わりの深い脳領域の活動を、放射線被曝のない磁気を使ったMRIを用いて解析しています。 この研究を発展させることができれば、脳活動から、客観的な症状の診断ができて、ご自分の症状を歯科医師や医師にうまく伝えられずに苦しんでいる患者さんの助けになるのでは…と願っています。


執筆者

Tazuko K. Goto 後藤 (栗本) 多津子

Oral Radiology

Oral Diagnosis & Polyclinics

Faculty of Dentistry

The University of Hong Kong


歯のコラムはAAASOMホームページでもご覧になれます

http://aaasom.org/kagakukoramu.aspx

 

04:会員ニュース

○ 小川隆広先生、米国・国際インプラント学会最高研究論文賞を受賞

小川隆広先生がインプラント分野で最も権威のある米国・国際インプラント学会(Academy of Osseointegration)より、最高の栄誉であるWilliam R. Laney Award最高研究論文賞を受賞されました。来月フェニックスで開催されるAOにおいて、授賞式ならびに受賞記念講演が行われます。

http://aaasom.org/default.aspx

 

○ 柴田 陽先生、ニュージーランドオタゴ大学歯学部客員教授就任 

昭和大学歯学部歯科理工 柴田 陽先生がニュージーランドオタゴ大学歯学部客員教授に就任され4月より一月半ほど現地でレクチャーおよび研究活動を行われるそうです。

http://aaasom.org/News2012.aspx

 

○ 後藤 哲哉先生が「ネッター頭蓋部・口腔顎顔面の解剖学アトラス」の和訳をされました 

後藤哲哉先生が「ネッター頭蓋部・口腔顎顔面の解剖学アトラス」13章「口腔」の前半30ページを和訳されたそうです。詳しくはfacebook内の口腔先端応用医科学研究会(Academy of Advanced Applied Science in Oral Medicine ; AAASOM)グループでの投稿でご覧になれます。

 

AAASOMメールマガジン編集部

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