歯のコラム

Vol.05:医学・医療の潮流と歯学におけるパラダイムシフト

日本では文科省より教育改革や大学改革が提言された(平成246月)。改革の骨子は、小子高齢化、グローバル化、財政悪化などである。イノベーションを創出し、国際競争力があり、社会に貢献する大学や医療機関が求められている。欧米先進国での死亡罹患率の上位疾患は、心臓病と脳血管疾患と癌で占められる。しかし、種々の薬剤(スタチン製剤、降圧薬、糖尿病など)を用いても、これらの疾患の改善率は40%程度にとどまる。歯周病などの口腔内疾患と心筋梗塞症や脳梗塞発症との関連について横断的に調査研究して、歯周病や口腔ケアなど口腔医学の意義を明らかにすることは重要な課題であろう。未だ充分なエビデンスは得られていないのが現状である。本来、医療は人間(生命)を診ることであり、医・歯学連携の医療は国民の健康福祉の向上に必須である。近年の生命科学の研究はボーダレスであり、重要な研究のブレークスルーは非線形である。歯科の診療・研究は、より医学、工学、化学などとの連携が必須であり、全身医学との関連にも留意すべきである。今後、社会や医療の潮流の変化を見極めて、歯学・歯科医療の再構築が望まれる。光機能化などのインプラント技術でのイノベーションを創出し、国際競争力のあるUCLAを基盤とする研究集団AAASOMには、来るべき日本の歯科医療のパラダイムシフトの先鞭となることを期待する。

 

 

執筆者

岩手医科大学歯学部総合歯科学講座歯科内科学分野 中居賢司

E-mail: knakai@iwate-med.ac.jp

http://www.iwate-med.ac.jp/education/gakubu_in/dent_kouza/sikanaika/